【ダートトライアル事件】おにぎり早食い競争で喉に詰まらせて死亡した事件についての考察 - ほのぼのと司法試験に挑戦

【ダートトライアル事件】おにぎり早食い競争で喉に詰まらせて死亡した事件についての考察

時事ネタ
11 /24 2016

 滋賀県彦根市で2016年11月13日に行われたおにぎりの早食い競争に参加した人が、おにぎりを喉に詰まらせて死亡した事件が起きました。

 ※かなり刑法専門的な記事なっています。刑法を勉強したことがない人であれば、結論だけでも見ていってください。

 このブログで検討したいのは、おにぎり早食い競争を企画、運営した人に何らかの犯罪が成立するのか否かです。成立しないと考える人が大半だと思いますが、しかし、その成立しないとする理屈を考える必要があります。(難しくて手が出ないので、他のにほんブログ村 司法試験予備試験にいるブログ主さんがもし見ていたら、ブログ記事等で見解を知りたいなと思うところです。)

 まず、何罪にあたるのか考えたのですが、おにぎり早食いによって、何らかの生理的障害が発生することが予見できるとして傷害致死罪、もしくは本命の過失致死罪、業務上過失致死罪といったことが考えられます。(そもそも、構成要件にすら該当しないという見解もありうるところかもしれません。) 構成要件の特定することがこんなに難しいとは思いませんでした。

 私の見解としては、食べすぎが生理的機能を害することは認識できるけれども認容がないために、傷害罪は成立せず、食べ過ぎ、喉のつまりによる窒息等による事故を防止する義務が運営者にあるところ、この義務に反したのではないかとして業務上過失致死罪の成否になると思います。

 とすると、「過失」の有無が問題となり、特に今回の事件では、一度に詰め込みすぎて窒息するということを防止するという義務を履行していたのかという問題(そもそも早食いで、早食いによる弊害が出ないように防止する義務を要求すること自体についても、疑念がありますが・・・)になり、これ自体はケースバイケースで事実を確認するしかないので、これを肯定するとします。

 で、本題です。
 構成要件が該当するとしても、被害者の承諾ないし危険の引受けで違法性が阻却されるのでは?という議論になると思います。ダートトライアル事件(千葉地判平成7年12月13日、この判例は、かなり薄いが被害者につき死亡までも危険の引受けがあることと、社会的相当性に欠けるところはないという2段階審査をしているように見えます。よく被害者の承諾の頁に現れる判例ですね。)を使って考えれば、早食いをする人として喉のつまりによる死亡危険性についての意識は薄いかもしれないが、急いで大量に食べれば喉のつまりを予見できるところであり、さらに実際に食べている地点でも危険であると認識できるから、危険の引受けがあり、早食いの実施において、お茶等が用意されるなどの対策がなされているところ(らしい)ので、社会的相当性があり、違法性を阻却すると考えます。
 
 ただもし、司会者等が「もっと食べましょう。もっといけます。」等で煽っていた場合には、社会的相当性を逸脱するとして、同罪が成立する余地があるかもしれません。

◆まとめ
 以上からすれば、大食い競争等を行うに際しては、運営者として、最低限、飲み物を用意すること、競技者に注意喚起すること、異様な煽りをしないことが求められるでしょう。そして、もし、これの最低限のことすら行っていなかったならば、業務上過失致死罪に問われる可能性があるでしょう。

コメント

非公開コメント

水刀

2017年4月、LSに入学しました。