2019年05月 - ほのぼのと司法試験に挑戦

令和元年司法試験 論文感想

司法試験全般
05 /21 2019
 令和元年の司法試験を受験してきました。

 論文のできについては、勝負できる答案は書けたと思います、思いたいです。時間配分に気を配っていたこともあって、ほぼ全科目において完答しています。短答の方が危険性を感じるので、まずは短答が合格していて欲しいです。読める字を書いていたのかの確認をしていないので、ここも危険性を感じますが…

 以下、各科目ごとの簡単な答案構成と感想です。備忘録的な意味あいが大きいですので、期待しないください。実質的には、自分のできなかったところを述べたものとなっている気もします。

(1)憲法
 去年傾向が変わり、概ねそれと同様の傾向だったと感じます。
 ただ、去年よりも大きな論点が多いので、処理速度の要求度は上がっていると感じます。表現者に対する2種の表現の自由(明確性、広汎性含む)、業者の表現の自由、財産権に対する侵害(債権制限)、及び行政手続法が適用されない(政治的表現の削除に対する反論の機会の付与)といったところが問題となったため、時間がシビアで正直答案構成に時間をかけている余裕がなく、答案を書く練習を増やす必要があると感じました。
 (全部で7つの論点とすれば、)二つの論点で、答案が爆発しましたが、5つの論点についてかけたのでまあよかったと思います。
 ただ、爆発した一つ目の明確性について、「何がフェイクニュースか客観的にわかるのか」という問題意識をもって、虚偽表現は他の信用棄損罪等に照らして考えても、明確性を欠くことにはならない」と書くべきでした。ここについて、大きく失点していると思います。
 もっとも、後二者(財産、手続)の論点を触れることができたのは良かったと思います。
 配点、相対評価次第で、大きく点数が変わりそうな科目だと思います。C-Dが来ればいいなと思います。

(2)行政法
 ①違法性の承継、②無効等確認訴訟の訴訟要件、③裁量権の違法性(行訴法30条)についての問題でした。
 ①については、条文を羅列して一応のあてはめをしていますが、規範を失念してしまって現場で考えたのが、大きなミスでした。②について、「直截的」という文言を出せなったことがミスでした。とはいえ、民訴が提起できるが、無効等確認訴訟を提起できるという結論は出せています。③について、法20条3号の文言が抽象度の高いもので、かつ、公益的見地(1条参照)があり、専門技術的なものでもあるから、裁量がある。B県の「道路ネットワーク」「通行者の安全」「地域の防災」の3点を主張するが、「道路ネットワーク」「地域の防災」に関する事実について、事実誤認や考慮不尽があるとして、違法性を語りました。ほとんど会議録の引用になっていると思います。もっとも、「通行者の安全」についてケチをつけていないのですが…、思いつきませんでした。
 他の受験生もかけているところができていないと思われるので、相対的にまずい答案になっているような気がします。

(3)民法
ア、設問1
 請負の所有権の移転時期は完成した時であると、合意と材料に触れずに書きましたが不安になっています。そして、工作物責任では、全要件(損害及び因果関係含む。)を検討しました。
 結論としては、所有権者はA、工作物責任について占有者であったBは注意をしていたから、Aは責任を負うとしています。
イ、設問2
 Hは、賃貸借契約において、目的物を所有する者が目的物を使用収益させることを提供できるから、賃貸人の地位が移転し、もっとも、二重払いを防止するために登記を要するが、登記をするのであれば、賃借人に請求できると主張する。
 もっとも、Dは、債権譲渡を受け、対抗要件を備えた(民法施行法等)のであり、Hが登記できる時に先立っているから、対抗要件の先立つ具備により、Hに対抗することができる。 といった感じです。
ウ、設問3の答案は、爆発しました。

 設問3がどれだけ響くかだと思います。全体的に、分量が少ないと感じました。結論があっているのかについても、気になります。

(4)商法
ア、設問1
 正直何を聞いているのか分かりませんでした。条文をこねこねして論じ、思いついたことを書いて仕上げました。趣旨があっていることを祈ります。
イ、設問2
 本件新株予約権無償割当てについて、形式的には新株予約権無償割当てであるが、実質的には募集新株予約権の発行であるあから、247条の対象であるとして、株主平等の原則に反しないか。また、主要目的ルールに反しないかを論じました。結論、否定です。
ウ、設問3
 本件決議1が、法令に反して違法か?、監督権限を不当に侵害しないとして合法。本件決議2の前提が変更されたならなば、臨時の株主総会を開くべきであるから、善管注意義務に違反する。として、任務懈怠を認定し、その余の要件を簡単に論じました。

 総合的に、設問1の趣旨次第ですが、一応相対的にできたのではないかなと思っています。上位答案として扱ってくれればと思います。

(5)民訴
ア、設問1
 前段を一般的に管轄合意は他の管轄を排除する目的であると相手方に主張させ、もっとも、今回は管轄を追加する趣旨であると論じました。問いの後段について、裁量的移送の規定を類推適用して、Xに不利な事実を指摘しつつも、なおXの不利益性が大きいとして、要件を認定しました。
イ、設問2
 論点の把握ができず、かなりの時間をとられました。相当試験時間経過後、自白は主要事実にのみ成立し、で、④事実は元々主要事実ではなかったと気づき、そのまま書きました。要件事実から丁寧に論じることができなかったのが悔やまれます。さらに、請求の追加的変更によって、④事実が主要事実となったことについて、この段階では、もろもろ理由を述べて、撤回できるとしました。
ウ、設問3
 条文を丹念に見つつ、自己利用文書性が問題となることを把握し、その要件を①非開示性、②不利益性 (本来出れば、③特段の事情も要件となる。)として、日記は性質上非開示であり、死亡により自由な意思を阻害しないこと、相続人が妻でプライバシーも一応の不利益性があること、本件日記と日記(全体部分)は区別できる事項であることを検討すべきとしました。

(6)刑法
ア、設問1
 結論は、Aに対する窃盗罪と銀行に対する窃盗未遂罪で、併合罪としました。
 窃盗と詐欺の区別についても、一応現場思考で書きました。窃盗既遂を認めているので、実行の着手を認定する必要性があるのか疑問ですが、採点実感が実行の着手を書けと言っていますし、詐欺的行為を始める段階か財物を受け取った段階か、実行の着手時期は論じる意義があると思ったので、後者として論じました。そして、カバンの中に入れて既遂としました。
イ、設問2
 「事後強盗の罪」という、この「の」の意味が当初分からなかったのですが、財物を獲得していないので、事後強盗未遂罪が問題となることに気づき、いい性格をしていると感じました。結論としては、事後強盗未遂罪の共同正犯を肯定です。
 前日に、辰巳の趣旨・規範ハンドブック〈3〉刑事系の133頁(平成30年度版)を読んでいたので、戦うことができました。しかし、論点のレベルが上がっていると思います。もっとも、脅迫罪の共同正犯が成立する説について、一つ・二つ論点のがしがあったことが悔やまれます。もしかしたら、乙の窃盗客体の錯誤も論点かと思い、論じています。
ウ、設問3
 構成要件を認定し、正当防衛、緊急避難を否定し、誤想防衛と同じ処理をして責任故意を阻却する。過失犯については、失念しました。

 総じて、忘れていた設問2の自説ではないものの論点と、設問3の過失犯を書くべきでしたが、設問2について相対的に書けていると思うので、上位であればいいなと思います。

(7)刑訴
ア、設問1
 自分の立場を別件基準説から論じました。別件基準説→任意捜査として任意取調べは可能→高輪グリーンマンション事件(任意取調べの限界)で論じ、反対説は本件基準説で本件横領は捜査届をかなり強引に提出させたこと、3万円と損害が低いことなどの事情から違法であると論じました。この点、勾留が時系列的に合法・違法性がどうであったのかという観点が抜け落ちていたのが大きなミスでしたが、相対的にどうであったのかが気になります。
 (補足、余罪取調べについて論じたことは、「身柄拘束について」問われているので、余剰だったと思います。)
イ、設問2
 公判前整理手続における証拠提出制限の条文を挙げ、証拠提出だけでなく訴因変更命令についても趣旨が及ぶが、提出できなかったものは「やむを得ないもの」として含まれる。本件も、公判で言い出したので「やむを得ないもの」として許される。
 もっとも、公訴事実の同一性は、単一性、同一性のことであり、社会的に同一の事実であり非両立の関係も見られるが、実体法上同一ではなく単位性をみたさない。よって、変更できない。としました。

 総じて、論理や結論が合っているのか、一番不安な科目です。また、規範の正確性に不安を残しますが、論理・結論が合っていれば、上位へ行けるのではないかと思います。

(8)選択
 選択については、その科目についても公開しないつもりです。設問1はよくできましたが、設問2でやらかしたかもしれません。

(9)総じての感想
 憲法、行政法について、直前の見直しができていませんでした。特に行政法の見直しがあれば、もっと規範を正確に書けたと思うので、行政法のノートをしっかりと作りたいと思います。憲法については、最新判例を踏まえた勉強と基礎のアウトプットスピードの向上を目指すべきでした。
 得意の民法ができなかった一方で、苦手の会社法はできたような気がします。来年も、手形法などといった異次元から出題されることのないことを祈ります。どちらの科目も、設問1の分量がどれくらい必要かが分かりませんでした。その辺、今度確認したいです。民訴は、相対的にどうか他の人の答案が見たいところです。
 刑事系は、どちらも傾向が変わったため、それに慣れることが必要だと感じました。ミスがあったものの書けたと思うことにします。
 現状では、憲法(C-E)、行政法(E-F)、民法(E-F)、商法(A-C)、民訴(?)、刑法(A-B)、刑訴(A-D)、選択(A-D)の予想です。民訴が相対的に出来ていて、憲・行・民のどれか2つについて思ったよりもいい成績が来ないと厳しい結果となりそうです。

 ひとまずは、お疲れさまでした。今度については、体力等が回復していから考えます。完全な再現答案は、合否が決定したら、公表するかもしれません。

 刑事系の試験はできたと思うので、下記の刑事系の基本書を紹介するページを見ていただければ、嬉しいです。

 ・【行為無価値】刑法の基本書紹介
 ・刑訴基本書のまとめ

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司法試験受験感想 短答が自己採点111点で眠れない日々が続きそう

司法試験全般
05 /21 2019
 令和元年の司法試験を受験してきました。
 
 総じて、緊張との闘いと寝不足・疲れの蓄積との闘いだったと思います。試験問題については、後悔が残るところもありましたが、一応は戦えるものを提出できたと感じています。

 ただ、表題の通り、短答が111点であった(2chの翌日の朝の解答基準)ので、短答での足切りの可能性が十分にあり、戦々恐々としています。

令和元年 司法試験 短答の感想

(1)民法
 民法は、総じて例年通りの問題で、若干下がったものの模試と同様の成績を出せました。相変わらず、1問に対して解答時間が約2分しかないというもので、時間切れになることも模試ではあったのですが、テンポよく解答し完答でき、概ね満足できる結果です。
 来年について、民法改正等により、傾向がどうなるのか不安です。

(2)憲法
 固有の意味の憲法のところを間違えてしまったのが、少々痛かったです。考えてみれば、固有性は時代によって変わりませんね。考えればわかるところであっただけに悔やまれます。
 「国会の指名を受けているのだから」というもっともらしい理由が付いている危険性を察知することができたことは良かったです。
 例年憲法以外の関連法(国会法等)の知識を問うて来ているので、この傾向について若干の対策をする必要があるのかもしれませんが、どう対策をすればいいのか、短答で必要な知識と基本書に書かれていることの対比の時間が必要と感じます。

(3)刑法
 たくさんの人が思ったところだと思いますが、時間が足りない短答科目であるにもかかわらず、穴埋めで論理を問い、時間をけずりにくるので、時間との戦いが非常にシビアでした。最後の穴埋めについては、適当にマークシートしました。
 「判例の立場に従って」という言葉を軽視したことが、反省点です。最後の問題の肢5について、民事判例から「2」としたのですが、刑法判例の立場でいえば「1」ですね。(でも、ここについては民事判例の立場を考えれば、「2」だと思いますが、…、正直ここは問題として不適切ではないかと思います。)。また、放火罪のところについても、判例の独立燃焼説ということを失念し、肢ア~エすべて正しいと思い、悩んで適当に肢アとしてしまいました。
 知識としてはあったところなので、ここは点数として確保したところでした。
 判例の立場に従ってという表現からしても、判例百選を重視した勉強が必要であり、論文の「事後強盗の罪」という表現を含めて、司法試験委員会のいい性格を考慮して問題を解く必要がありそうです。
 事前に対策していた強盗強制性交等罪や刑罰論が出題されなかったので、来年は出るかなと予想しておきます。

(4)全体的に
 総じて、111点であったので、後できるのは、お参り位でしょうか。何か気の利いたコメントを頂ければ嬉しいです。来年もしくは司法修習では、改正民法の知識が必要となりますし、気になったいた知識でもあるので、この辺を勉強しようと思います。潮見先生の民法(全) 第2版を読む予定です。
 一番の問題は、6月6日、9月10日までどのように過ごすのかがまだ決まっていないことかもしれません。ここについても、コメントを頂ければ嬉しいです。

 再現答案を掲載することは特定答案を避ける意味でも行いませんが、箇条書き適度の論文感想は、できるだけ早く(本日中に)掲載しようと思います。

水刀

2017年4月、LSに入学しました。