2017年02月 - ほのぼのと司法試験に挑戦

「最新重要判例250 刑法」が発売!

刑法の基本書
02 /27 2017

 前田先生の刑法判例集が2017年2月21日に発売されました。刑法の最新判例集が欲しい人におすすめします。

 判例の掲載数は264個で、刑法総論・各論について1判例1頁で解説がなされています。判例百選よりも安く済むので、節約したい人にもおすすめできる判例集です。




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刑事訴訟法235条のまとめ

刑事訴訟法
02 /22 2017

 刑事訴訟法235条のまとめです。解説においては、刑法条文の指摘が多いので、罪名でわかるようにしました。

刑事訴訟法235条  親告罪の告訴は、犯人を知つた日から六箇月を経過したときは、これをすることができない。ただし、次に掲げる告訴については、この限りでない。
一  刑法第百七十六条 から第百七十八条 まで、第二百二十五条若しくは第二百二十七条第一項(第二百二十五条の罪を犯した者を幇助する目的に係る部分に限る。)若しくは第三項の罪又はこれらの罪に係る未遂罪につき行う告訴
二  刑法第二百三十二条第二項 の規定により外国の代表者が行う告訴及び日本国に派遣された外国の使節に対する同法第二百三十条 又は第二百三十一条 の罪につきその使節が行う告訴
○2  刑法第二百二十九条 但書の場合における告訴は、婚姻の無効又は取消の裁判が確定した日から六箇月以内にこれをしなければ、その効力がない。



刑事訴訟法235条1項本文、但書

 原則的には告訴に期間制限はなく、いつでも告訴できることを前提に、親告罪の告訴については、例外的に、6ヶ月を経過した場合には告訴できなくなること、起算点が「犯人を知った日」であることを定めています。その趣旨は、被害者の意思によって必要以上に法的安定性を害するのは相当ではないため、告訴期間を設定することにあります。
 但書(柱書き)は、この例外の例外として、親告罪で告訴期間の制限がない犯罪類型を、1号、2号で規定しています。


刑事訴訟法235条1項1号

 (1)強制わいせつ、強姦、準強制わいせつ及び準強姦罪という性犯罪について、(2)営利目的等略取及び誘拐罪と、同罪を幇助する被略取者引渡し等罪、営利、わいせつ又は生命若しくは身体に対する加害の目的での被略取者引渡し等罪という一定の拐取関連の犯罪については、例外的に6ヶ月を経過しても告訴できることを規定しています。なお、刑法172条の2に規定される集団強姦等罪については、そもそも告訴を要する親告罪ではありませんから、同号に規定されていません。


刑事訴訟法235条1項2号

 名誉毀損罪、侮辱罪について、「告訴をすることができる者が…、外国の君主又は大統領であるとき」に、「その国の代表者が…代わって告訴を行う」場合は、告訴期間制限の例外にあたることを規定しています。

刑事訴訟法235条2項

 刑法229条但書には、一定の拐取関連の犯罪について、「略取され、誘拐され、又は売買された者が犯人と婚姻をしたときは、婚姻の無効又は取消しの裁判が確定した後でなければ、告訴の効力がない。」と規定されているので、婚姻の無効又は取消の裁判が確定した日から告訴期間が進行することを規定しています。
 

最決 平成15年12月9日【詐欺罪】

刑法
02 /21 2017

 詐欺罪に関する三角詐欺、同一法益の二重評価についての最高裁決定平成15年12月9日(刑集第57巻11号1088頁)を紹介します。

 事例は判決に書かれていますが、簡単にいえば、店を経営する詐欺師が、被害者(クレジットカードを持っている者)を騙し商品売買契約を仮装して、クレジット会社に商品代を請求した場合において、クレジットカードを持っている者に対する詐欺罪が成立するのかが争われた事案です。クレジット会社に対して詐欺罪が成立するとも思えるので、これが同一法益の二重評価にならないか、また、一種の三角詐欺をどのように処理するのかについて参考になる判例だと思います。

 1 原判決及びその是認する第1審判決の認定並びに記録によれば,本件に関する事実関係は,次のとおりである。
 (1) 被告人は,他の1名と共謀の上,病気などの悩みを抱えている被害者らに対し,真実は,被害者らの病気などの原因がいわゆる霊障などではなく,「釜焚き」と称する儀式には直接かつ確実に病気などを治癒させる効果がないにもかかわらず,病気などの原因が霊障であり,釜焚きの儀式には上記の効果があるかのように装い,虚偽の事実を申し向けてその旨誤信させ,釜焚き料名下に金員を要求した。
 (2) そして,被告人らは,釜焚き料を直ちに支払うことができない被害者らに対し,被害者らが被告人らの経営する薬局から商品を購入したように仮装し,その購入代金につき信販業者とクレジット契約(立替払契約)を締結し,これに基づいて信販業者に立替払をさせる方法により,釜焚き料を支払うように勧めた。これに応じた被害者らが上記薬局からの商品売買を仮装の上クレジット契約を締結し,これに基づいて信販業者が被告人らの管理する普通預金口座へ代金相当額を振込送金した。
 2 【要旨】以上の事実関係の下では,被告人らは,被害者らを欺き,釜焚き料名下に金員をだまし取るため,被害者らに上記クレジット契約に基づき信販業者をして立替払をさせて金員を交付させたものと認めるのが相当である。
 この場合,被告人ら及び被害者らが商品売買を仮装して信販業者をして立替金を交付させた行為が信販業者に対する別個の詐欺罪を構成するか否かは,本件詐欺罪の成否を左右するものではない。
 したがって,被告人に対し本件詐欺罪の成立を認めた原判断は,正当である。(以上、最決 平成15年12月9日を一部引用)




最判平成22年3月16日

民事訴訟法
02 /19 2017

  固有必要的共同訴訟において合一確定の要請に反する判決がされた場合と不利益変更禁止の原則の関係について判断した最判 平成22年3月16日の判決文の紹介です。

第2 職権による検討
…(省略)…
1 原審の適法に確定した事実関係の概要は,次のとおりである。
(1) Aは,平成17年12月17日に死亡した。
(2) 上告人Y2,同Y1及び被上告人は,いずれもAの子である。
(3) 上告人Y2は,第1審判決別紙のとおりのA名義の遺言書を偽造した。
2 本件は,被上告人が,上告人らに対し,上告人Y2が民法891条5号所定の相続欠格者に当たるとして,同Y2がAの相続財産につき相続人の地位を有しないことの確認等を求める事案である(以下,上記確認請求を「本件請求」という。)。
3 第1審は,本件請求を棄却したため,被上告人がこれを不服として控訴したところ,原審は,本件請求を棄却した第1審判決を上告人Y2に対する関係でのみ取り消した上,同Y2に対する本件請求を認容する一方,同Y1に対する被上告人の控訴を,控訴の利益を欠くものとして却下した。
4 しかしながら,原審の上記判断は,以下の(1)及び(2)の各点において,是認することができない。その理由は,次のとおりである。
(1) 被上告人の上告人Y1に対する控訴の適否について
 本件請求に係る訴えは,共同相続人全員が当事者として関与し,その間で合一にのみ確定することを要する固有必要的共同訴訟と解するのが相当である(最高裁平成15年(受)第1153号同16年7月6日第三小法廷判決・民集58巻5号1319頁)。したがって,本件請求を棄却した第1審判決主文第2項は,被上告人の上告人Y1に対する請求をも棄却するものであるというべきであって,上記3の訴訟経過に照らせば,被上告人の上告人Y1に対する控訴につき,控訴の利益が認められることは明らかである。
(2) 本件請求に関する判断について
ア 本件請求に係る訴えは,固有必要的共同訴訟と解するのが相当であることは前示のとおりであるところ,原審は,本件請求を棄却した第1審判決を上告人Y2に対する関係でのみ取り消した上,同Y2 に対する本件請求を認容する一方,同Y1に対する控訴を却下した結果,同Y1 に対する関係では,本件請求を棄却した第1審判決を維持したものといわざるを得ない。このような原審の判断は,固有必要的共同訴訟における合一確定の要請に反するものである。
イ そして,原告甲の被告乙及び丙に対する訴えが固有必要的共同訴訟であるにもかかわらず,甲の乙に対する請求を認容し,甲の丙に対する請求を棄却するという趣旨の判決がされた場合には,上訴審は,甲が上訴又は附帯上訴をしていないときであっても,合一確定に必要な限度で,上記判決のうち丙に関する部分を,丙に不利益に変更することができると解するのが相当である(最高裁昭和44年(オ)第316号同48年7月20日第二小法廷判決・民集27巻7号863頁参照)。そうすると,当裁判所は,原判決のうち上告人Y2 に関する部分のみならず,同Y1に関する部分も破棄することができるというべきである。
5 以上によれば,上記各点に係る原審の判断には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があり,原判決は,全部破棄を免れない。そして,上記事実関係によれば,上告人Y2は民法891条5号所定の相続欠格者に当たるというべきところ,記録によれば,同Y2及び同Y1は,第1審及び原審を通じて共通の訴訟代理人を選任し,本件請求の当否につき,全く同一の主張立証活動をしてきたことが明らかであって,本件請求については,同Y2のみならず,同Y1の関係においても,既に十分な審理が尽くされているということができるから,第1審判決のうち同Y2及び同Y1に対する関係で本件請求を棄却した部分を取り消した上,これらの請求を認容すべきである。
 なお,上告審は,上記のような理由により原判決を破棄する旨の判決をする場合には,民訴法319条並びに同法313条及び297条により上告審の訴訟手続に準用される同法140条の規定の趣旨に照らし,必ずしも口頭弁論を経ることを要しないものというべきである。


◆条文
民事訴訟法319条:「上告裁判所は、上告状、上告理由書、答弁書その他の書類により、上告を理由がないと認めるときは、口頭弁論を経ないで、判決で、上告を棄却することができる。」

同法313条:「前章の規定は、特別の定めがある場合を除き、上告及び上告審の訴訟手続について準用する。」(控訴の規定の準用)

同法297条:「前編第1章から第7章までの規定は、特別の定めがある場合を除き、控訴審の訴訟手続について準用する。ただし、第269条の規定は、この限りでない。」(第一審の訴訟手続の規定の準用)

同法140条:「訴えが不適法でその不備を補正することができないときは、裁判所は、口頭弁論を経ないで、判決で、訴えを却下することができる。」(口頭弁論を経ない訴えの却下)


民事訴訟法、最判平成22年3月16日のまとめ


 最判平成22年3月16日は、民事訴訟法304条で、「第一審判決の取消し及び変更は、不服申立ての限度においてのみ、これをすることができる。」と規定されているところ、「原告甲の被告乙及び丙に対する訴えが固有必要的共同訴訟であるにもかかわらず,甲の乙に対する請求を認容し,甲の丙に対する請求を棄却するという趣旨の判決がされた場合には,上訴審は,甲が上訴又は附帯上訴をしていないときであっても,合一確定に必要な限度で,上記判決のうち丙に関する部分を,丙に不利益に変更することができる」(http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=38703 から)と判断しました。


改正刑事訴訟法316条の14

刑事訴訟法
02 /18 2017




 証拠開示制度の拡充として、公判前整理手続等における証拠の一覧表の交付制度が開始されました。同制度は、改正刑事訴訟法316条の14に規定されているので、同法の紹介をしたいと思います。

 旧法では、

 検察官は、前条第2項の規定により取調べを請求した証拠(以下「検察官請求証拠」という。)については、速やかに、被告人又は弁護人に対し、次の各号に掲げる証拠の区分に応じ、当該各号に定める方法による開示をしなければならない。
1号:証拠書類又は証拠物 当該証拠書類又は証拠物を閲覧する機会(弁護人に対しては、閲覧し、かつ、謄写する機会)を与えること。
2号:証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人 その氏名及び住居を知る機会を与え、かつ、その者の供述録取書等(供述書、供述を録取した書面で供述者の署名若しくは押印のあるもの又は映像若しくは音声を記録することができる記録媒体であって供述を記録したものをいう。以下同じ。)のうち、その者が公判期日において供述すると思料する内容が明らかになるもの(当該供述録取書等が存在しないとき、又はこれを閲覧させることが相当でないと認めるときにあっては、その者が公判期日において供述すると思料する内容の要旨を記載した書面)を閲覧する機会(弁護人に対しては、閲覧し、かつ、謄写する機会)を与えること。

 となっていましたが、
 改正刑事訴訟法316条の14では、

○1 検察官は、前条第二項の規定により取調べを請求した証拠(以下「検察官請求証拠」という。)については、速やかに、被告人又は弁護人に対し、次の各号に掲げる証拠の区分に応じ、当該各号に定める方法による開示をしなければならない。
一  証拠書類又は証拠物 当該証拠書類又は証拠物を閲覧する機会(弁護人に対しては、閲覧し、かつ、謄写する機会)を与えること。
二  証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人 その氏名及び住居を知る機会を与え、かつ、その者の供述録取書等のうち、その者が公判期日において供述すると思料する内容が明らかになるもの(当該供述録取書等が存在しないとき、又はこれを閲覧させることが相当でないと認めるときにあつては、その者が公判期日において供述すると思料する内容の要旨を記載した書面)を閲覧する機会(弁護人に対しては、閲覧し、かつ、謄写する機会)を与えること。
○2  検察官は、前項の規定による証拠の開示をした後、被告人又は弁護人から請求があつたときは、速やかに、被告人又は弁護人に対し、検察官が保管する証拠の一覧表の交付をしなければならない。
○3  前項の一覧表には、次の各号に掲げる証拠の区分に応じ、証拠ごとに、当該各号に定める事項を記載しなければならない。
一  証拠物 品名及び数量
二  供述を録取した書面で供述者の署名又は押印のあるもの 当該書面の標目、作成の年月日及び供述者の氏名
三  証拠書類(前号に掲げるものを除く。) 当該証拠書類の標目、作成の年月日及び作成者の氏名
○4  前項の規定にかかわらず、検察官は、同項の規定により第二項の一覧表に記載すべき事項であつて、これを記載することにより次に掲げるおそれがあると認めるものは、同項の一覧表に記載しないことができる。
一  人の身体若しくは財産に害を加え又は人を畏怖させ若しくは困惑させる行為がなされるおそれ
二  人の名誉又は社会生活の平穏が著しく害されるおそれ
三  犯罪の証明又は犯罪の捜査に支障を生ずるおそれ
○5  検察官は、第二項の規定により一覧表の交付をした後、証拠を新たに保管するに至つたときは、速やかに、被告人又は弁護人に対し、当該新たに保管するに至つた証拠の一覧表の交付をしなければならない。この場合においては、前二項の規定を準用する。


 と規定されています。

 2項で、証拠の一覧表の交付をすることが原則であり、4項で、非開示の例外を定めるという規定の仕方になっていますが、これが原則、例外の規定通りに機能していくのかは、これからの法律家の努力にかかってくるでしょう。昔の接見交通権のようにならないような運用が望まれるところです。




【憲法 基本書】基本憲法I 基本的人権の発売

憲法の基本書
02 /17 2017

 基本憲法I 基本的人権が発売されました。木下先生は関西LSの教授であり、伊藤先生はブログ「憲法の流儀」の運営者です。基本刑法で有名な基本シリーズの憲法版になります。今日発売なので、まだ読んでなく、触ってもいないので、発売されたことだけをお知らせします。

 ● amazonで検討する場合は、こちらから


 なお、これに伴って、憲法の基本書に、基本憲法I 基本的人権の項目を追記しました。まだ、憲法の基本書の記事を見ていない人は、上記リンクからご覧ください。


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憲法の基本書
基本刑法の紹介(評価 感想)

◆お勧めの記事
法学部入学前に読んで欲しい本10選

法学部入学前に読んで欲しい本10選

法学部
02 /16 2017
 法学部生が法律科目で中心的に勉強するのは、憲法、民法、商法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法の6つの法律であり、これら6つが「六法」と呼ばれています。一般的には、大学1年目で、憲法・民法・刑法を必修科目として勉強します。
 そこで、条文の読み方など法律の勉強の仕方などを解説する本や憲法・民法・刑法についての本などを紹介します。


【1】法学部入学前に法律の勉強をしたい人におすすめ
 伊藤塾が出している法学入門本!
 法律を勉強するのに必要な基礎の基礎について書かれた書籍です。補訂前の伊藤真の法学入門 講義再現版の評価は非常に高く、法律をしっかりと学びたい人におすすめする一冊です。


【2】法学部入学後も使える法律勉強の入門書
 民法学者が法律を学び始める学生を念頭にして作った書籍です。法律の勉強に必要な基礎の基礎について書かれています。どちらかといえば、資格試験などよりも、単位取得を念頭にした人におすすめします。なお、【1】【2】は、どちらかを購入すれば足ります。


【3】法学部入学前に読んで欲しい憲法解説書
 法学部の入学前の予習として最適な本です。通説的な見解から、憲法において押さえるべき事柄をしっかりと説明しているので、安心して初心者に勧めることができます。
 これまで社会科(政治経済)で憲法について勉強してきたと思いますが、大学で勉強する憲法は段違いに深い学問ですので、舐めずに予習することをおすすめします。
 少々マイナーなため、入手しづらいのが玉に瑕です。


【3-1】入手しやすい大学生用の憲法入門書
 【1】で紹介した伊藤塾から出されている新大学生向けの憲法入門書です。非常に有名な本であり、王道を行きたいという人であれば、こちらの本をお勧めします。2017年の発売であり、最近の情報を前提にできる点についても評価が高いです。前版の評価はもちろん高く、おすすめの書籍です。


【4】法学部入学前に読んで欲しい刑法解説本~その1
 【1】と同じシリーズの刑法版です。こちらも非常に評価が高い一冊で、刑法の全体像をしっかりと把握することができます。前版ですが、伊藤真の刑法入門の感想はこちらから


【5】法学部入学前に読んで欲しい刑法解説本~その2
 井田 良先生の入門刑法学・総論です。【4】よりも一歩進んだ刑法を学びたい人におすすめする一冊です。こちらも評価が高い一冊となっています。



【6】法学部入学前に読んで欲しい民法解説本
 【1】【4】と同じシリーズの民法版です。民法全体をかいつまんでうまく解説しています。最初の一冊におすすめする書籍です。


【7】弁護士に興味がある人におすすめ
 【6】よりも実際の社会において民法がどのように役に立っているのかについて知りながら、勉強することができ、勉強意欲が出てくる一冊でしょう。886円(2017年2月14日)と比較的お安いのもおすすめ。282ページ。


【8】初心者用の民法本に満足できない人におすすめ
 これまでの民法の書籍で、一番詳しい本です。しっかりと民法を勉強したい人におすすめします。詳しくは、リーガルベイシス民法入門 第2版の紹介の記事をご覧ください。


外国語は、ドイツ語?フランス語?中国語?

 正直、どれを選んでも大差ありません。ほとんどの人が、第一外国語である英語ですらしゃべることができないので、第二外国語なんて…、といったところです。好きな国・言語を選べばいいでしょう。

【9の1】ドイツ語選択の人へ
 ドイツ語入門で最も人気が高い本です。



【9の2】フランス語選択の人へ
 Amazonでベストセラー1位(2017年10月15日現在)を獲得するほど人気のフランス語の教材です。おすすめします。


【10】公務員試験に興味がある法学部入学者におすすめ!
 大学入学前に公務員試験対策を始めるのは早いと感じるかもしれませんが、公務員になると決めている人であれば、公務員試験について具体的なイメージを持っておくために、情報収集をすることをおすすめします。


 ★まとめ★
 法学部に入学した後で、授業が分からないと感じる人は多いです。入学後に周りに遅れないように、法学部に入学する前にしっかりと準備しておくことが、充実した大学生活を送るための秘訣です。

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お風呂でスマホを使う方法


2017年8月7日 【10】を新版に更新した。

 最判平成27年12月14日

民事訴訟法
02 /16 2017

 本訴請求債権が時効消滅したと判断されることを条件とする,反訴における当該債権を自働債権とする相殺の抗弁の許否についての 最判平成27年12月14日を紹介します。

1 本件本訴は,上告人が,貸金業者である被上告人との間で,平成8年6月5日から平成21年11月24日までの間,第1審判決別紙計算書1の「借入金額」欄及び「弁済額」欄記載のとおり行われた継続的な金銭消費貸借取引(以下「本件取引」という。)について,平成8年6月5日から平成12年7月17日までの取
引(以下「第1取引」という。)と平成14年4月15日から平成21年11月24日までの取引(以下「第2取引」という。)を一連のものとみて,各弁済金のうち利息制限法(平成18年法律第115号による改正前のもの)1条1項所定の制限を超えて利息として支払った部分を元本に充当すると過払金が発生しているなどと主張して,被上告人に対し,不当利得返還請求権に基づき,上記過払金の返還等を求める事案である。本件反訴は,被上告人が,上告人に対し,第2取引に基づく貸金の返還等を求める事案である。
2 被上告人は,本件本訴において,本件取引は一連のものではなく,第1取引に基づく上告人の過払金の返還請求権は時効により消滅したと主張し,消滅時効を援用した。これに対し,上告人は,本件本訴において上記過払金の返還請求権が時効により消滅したと判断される場合には,本件反訴において,予備的に同請求権を自働債権とし,第2取引に基づく被上告人の貸金債権を受働債権として対当額で相殺すると主張し,原判決も,これを本件反訴における上告人の抗弁として摘示している。
3 原審は,本件取引は一連のものとはいえず,第1取引に基づく過払金の返還請求権は時効により消滅したと判断したが,上記2の相殺の抗弁につき何ら判断することなく,被上告人の反訴請求のうち第2取引に基づく貸金返還請求等を認容した。
4 そこで,まず,上記2の相殺の抗弁が民訴法142条の趣旨に反して許されないものか否かについて判断する。係属中の別訴において訴訟物となっている債権を自働債権として他の訴訟において相殺の抗弁を主張することは,重複起訴を禁じた民訴法142条の趣旨に反し,許されない(最高裁昭和62年(オ)第1385号平成3年12月17日第三小法廷判決・民集45巻9号1435頁参照)。しかし,本訴において訴訟物となっている債権の全部又は一部が時効により消滅したと判断されることを条件として,反訴において,当該債権のうち時効により消滅した部分を自働債権として相殺の抗弁を主張することは許されると解するのが相当である。その理由は,次のとおりである。時効により消滅し,履行の請求ができなくなった債権であっても,その消滅以前に相殺に適するようになっていた場合には,これを自働債権として相殺をすることができるところ,本訴において訴訟物となっている債権の全部又は一部が時効により消滅したと判断される場合には,その判断を前提に,同時に審判される反訴において,当該債権のうち時効により消滅した部分を自働債権とする相殺の抗弁につき判断をしても,当該債権の存否に係る本訴における判断と矛盾抵触することはなく,審理が重複することもない。したがって,反訴において上記相殺の抗弁を主張することは,重複起訴を禁じた民訴法142条の趣旨に反するものとはいえない。このように解することは,民法508条が,時効により消滅した債権であっても,一定の場合にはこれを自働債権として相殺をすることができるとして,公平の見地から当事者の相殺に対する期待を保護することとした趣旨にもかなうものである。
5 そうすると,原判決のうち被上告人の反訴請求を認容した部分は,上記2の相殺の抗弁についての判断がないため,主文を導き出すための理由の一部が欠けているといわざるを得ず,民訴法312条2項6号に掲げる理由の不備がある。これと同旨をいう論旨は理由があり,原判決のうち上記部分は破棄を免れない。そして,上記2の相殺の抗弁につき,更に審理を尽くした上で必要な判断をさせるため,上記部分につき本件を原審に差し戻すこととする。その余の上告理由は,違憲及び理由の不備をいうが,その実質は事実誤認又は単なる法令違反を主張するものであって,民訴法312条1項及び2項に規定する事由のいずれにも該当しない。
 よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。



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【速報】元慶應LS生の局部切断事件の控訴審判決が出される。

時事ネタ
02 /14 2017

 速報です。元慶應LS生の局部切断事件の控訴審判決が出されました。
 
 被告人側は「量刑が不当に重い」と控訴していたところ、植村稔裁判長は、被害者の傷害が回復できない性質のものであることなどから、1審の量刑判断に誤りはなかったとして、控訴を棄却しました。

 懲役4年6月の実刑判決であり、おそらく初犯であるにもかかわらず、実刑判決である点において、重要な判決といえるかもしれません。

 とりあえず、速報だけで失礼します。


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憲法38条3項にいう「本人の自白」に公判廷における自白が含まれるか【最判昭和23年7月29日】

憲法38条3項にいう「本人の自白」に公判廷における自白が含まれるか - 最判昭和23年7月29日

刑事訴訟法
02 /14 2017

 最判昭和23年7月29日が、憲法38条3項にいう「本人の自白」に公判廷における自白が含まれるかについて論じているので、紹介と解説をします。


 憲法38条3項は、「何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。」と規定しています。同項の「本人の自白」の意味について、最高裁は以下のように判断しました。


最判昭和23年7月29日判決文(一部抜粋)

 「自白の問題は、日々の裁判の現実において最も重要な憲法問題の一つである。憲法第三十八条第三項には、「何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない」と定めている。この規定の趣旨は、一般に自白が往々にして、強制、拷問、脅迫その他不当な干渉による恐怖と不安の下に、本人の真意と自由意思に反してなされる場合のあることを考慮した結果、被告人に不利益な証拠が本人の自白である場合には、他に適当なこれを裏書する補強証拠を必要とするものとし、若し自白が被告人に不利益な唯一の証拠である場合には、有罪の認定を受けることはないとしたものである。それは、罪ある者が時に処罰を免れることがあつても、罪なき者が時に処罰を受けるよりは、社会福祉のためによいという根本思想に基くものである。かくて真に罪なき者が処罰せられる危険を排除し、自白偏重と自白強要の弊を防止し、基本的人権の保護を期せんとしたものである。しかしながら、公判廷における被告人の自白は、身体の拘束をうけず、又強制、拷問、脅迫その他不当な干渉を受けることなく、自由の状態において供述されるものである。しかも、憲法第三十八条第一項によれば、「何人も自己に不利益な供述を強要されない」ことになつている。それ故、公判廷において被告人は、自己の真意に反してまで軽々しく自白し、真実にあらざる自己に不利益な供述をするようなことはないと見るのが相当であろう。又新憲法の下においては、被告人はいつでも弁護士を附け得られる建前になつているから、若し被告人が虚偽の自白をしたと認められる場合には、その弁護士は直ちに再訊問の方法によつてこれを訂正せしめることもできるであろう。なお、公判廷の自白は、裁判所の直接審理に基くものである。従つて、裁判所の面前でなされる自白は、被告人の発言、挙動、顏色、態度並びにこれらの変化等からも、その真実に合するか、否か、又、自発的な任意のものであるか、否かは、多くの場合において裁判所が他の証拠を待つまでもなく、自ら判断し得るものと言わなければならない。又、公判廷外の自白は、それ自身既に完結している自白であつて、果していかなる状態において、いかなる事情の下に、いかなる動機から、いかにして供述が形成されたかの経路は全く不明であるが、公判廷の自白は、裁判所の面前で親しくつぎつぎに供述が展開されて行くものであるから、現行法の下では裁判所はその心証が得られるまで種々の面と観点から被告人を根掘り葉掘り十分訊問することもできるのである。そして、若し裁判所が心証を得なければ自白は固より証拠価値がなく、裁判所が心証を得たときに初めて自白は証拠として役立つのである。従つて、公判廷における被告人の自白が、裁判所の自由心証によつて真実に合するものと認められる場合には、公判廷外における被告人の自白とは異り、更に他の補強証拠を要せずして犯罪事実の認定ができると解するのが相当である。すなわち、前記法条のいわゆる「本人の自白」には、公判廷における被告人の自白を含まないと解釈するを相当とする。
 さらに、証拠価値論の見地から観察してみよう。(一)強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、証拠能力を有しない(憲法第三十八条第二項)。かゝる種類の自白は、憲法上は全く信用力がなく全面的に証拠価値を否定せられておるから、これを証拠として断罪科刑することはできない。(二)その他の自白は、公判廷におけるものも又公判廷外におけるものも、等しく証拠能力を有するが、証拠価値にはおのずから差等が存する。その中公判廷外における自白は、強制、拷問若しくは脅迫による自白であるか否かが一般的に不明であり、前述の理由によつて証拠価値が比較的少いものであるから、その自白の外に適当なこれを裏書する補強証拠が必要となる訳である。(三)これに反し、公判廷における自白は、前に詳述した理由によつてその証拠価値が比較的多いものであるから、その自白が被告人に不利益な唯一の証拠である場合においてもこれを証拠として断罪科刑することができていい訳である。
 往昔の裁判は、断罪に被告人の自白を必要条件とし、自白がなければ、処罰ができなかつた時代がある。かかる制度の下においては、必然的に被告人の自白を強要するために拷問が行われるに至ることは当然であり、今日なお諸国に残存する多種多様の拷問器が如実にこれを実証している。この弊害を救うために、(イ)所罰には必ずしも自白を必要条件としなくなり、(ロ)被告人には自白を強要せられない沈黙の特権が認められ(憲法第三十八条第一項)(ハ)拷問等による自白には、証拠能力が認められなくなり(同条第二項)、かくて裁判手続の上に拷問等が漸次排除せられていつたのである。されば、同条第三項の解釈として、拷問等によらざることが明白である公判廷の自白に、一般的、抽象的により多くの証拠価値を認め独立証拠性を認めると共に、拷問等によつたか否かが不明である公判廷外の自白に、一般的、抽象的により少き証拠価値を認め補強証拠を要するものと解することは、毫も拷問と自白の歴史に背反するところはなく、現行法制の下においては極めて合理的な妥当な解釈であると言わなければならない。又、或る時代においては、証人の供述も半証拠(ハーフ・プルーフ)の価値しかなく、二人の証人の供述が合致して初めて独立証拠価値を有した。米国憲法第三条第三項に、「何人も同一の犯行に対する二人の証人の証言又は公開の法廷における自白がなければ、叛逆罪によつて処罰をうけることがない」とあるのもこの流を汲むもので、米国の叛逆罪においては証人一人の供述は半証拠の価値しかないが、被告人の公判廷における自白は、それだけで独立証拠の価値を認められている。或は「罪がない者でも色々複雑な原因から任意に自己に不利益な供述をすることがある」から、自白が唯一の証拠である場合には処罰できないという者があるが、これは誤りである。この論法をもつてすれば、「証人でも色々複雑な原因から任意に(故意に)被告人に不利益な供述をすることがある」から、証人の供述が唯一の証拠である場合にも処罰できないという結論とならなければならない。しかし、わが憲法は明らかに証人の供述は唯一の証拠であつても独立証拠の価値を認め断罪し得るものとしている。これに対し、憲法第三十八条第三項においては、被告人の自白が唯一の証拠である場合には処罰できないものとしている。それ故、同項の意義は、証人の供述と被告人の自白の価値を何故に区別しているかの理由を深く究めることによつてのみ真に理解され得る関係ある。そして、この区別は、畢竟被告人の自白には拷問等の加わるおそれが濃厚であるに反し、証人の供述にはかかるおそれが濃厚でないという一点に要約することができる。されば、拷問等の加わらない公判廷の自白に一証人の供述と同様に独立証拠性を認めることは、現行法制の下においては、理の当然であると言うことができよう。証人の供述にも、被告人の自白にも同時に内在し得る不安(例えば色々の複雑な原因から任意に不利益な供述をすること)が、被告人の自白に内在することを理由として被告人の自白に独立証拠性を否定せんとするは、証人の供述に独立拠性を認めているわが憲法下においては、他に特別の立法なき限り到底是認することができない。それ故、被告人の自白に独立証拠性を否定し、補強証拠を必要とする場合は、拷問等の加わつたか否かが不明である場合、すなわち公判廷外の自白に限られるのである。
 さればと言つて、公判廷における被告人の自白があつたとしても、安易に直ちにこれを証拠として断罪し去るととは、早計であり固より許さるべきことではない。裁判の任に当る者は、飽くまで自由心証の下に自白の任意性、真実性につき自由心証を形成し得た場合においてのみ、断罪し、科刑し得るものであることを深く戒心しなければならぬ。自白規定を設けた憲法の精神もまたこゝにあると確信する。」(最判昭和23年7月29日から)

公判挺における本人の自白のまとめ

 以上のように、憲法38条3項にいう「本人の自白」に公判廷における自白は含まれず、憲法上、公判廷における自白のみで有罪判決を下せると判示しています。ただし、注意しなければならないのが、最判昭和23年7月29日は、憲法上、公判廷での自白のみで有罪判決を下すことができないという旨の立法をすることを禁止する趣旨ではないことです。

 そして、実際に、刑事訴訟法319条2項で「被告人は、公判廷における自白であると否とを問わず、その自白が自己に不利益な唯一の証拠である場合には、有罪とされない。」と規定されているので、公判廷における自白のみで有罪判決を下すことはできません。

 憲法レベルでの議論と、刑事訴訟法の規定が、一見矛盾しているように思えるため、勘違いしている人も多いと思い、ここに紹介と解説をしました。




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水刀

2017年4月、LSに入学しました。