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思想良心の自由の判例 - 最判平成23年6月6日 - 憲法

司法試験全般
08 /04 2017

 思想良心の自由の判例には有名な「ピアノ伴奏事件」(最判平成19年2月27日)が存在しますが、最判平成23年6月6日がピアノ伴奏事件よりも深く、分かりやすい論証を行っています。これからの司法試験等においては、平成23年判例がリーディングケース(司法試験対策で引用・参照される判例という意味)となると思いますので、これを紹介します。

 ちなみに、ピアノ伴奏事件では、
(1)上記職務命令は「君が代」が過去の我が国において果たした役割に係わる同教諭の歴史観ないし世界観自体を直ちに否定するものとは認められないこと,(2)入学式の国歌斉唱の際に「君が代」のピアノ伴奏をする行為は,音楽専科の教諭等にとって通常想定され期待されるものであり,当該教諭等が特定の思想を有するということを外部に表明する行為であると評価することは困難であって,前記職務命令は前記教諭に対し特定の思想を持つことを強制したりこれを禁止したりするものではないこと,(3)前記教諭は地方公務員として法令等や上司の職務上の命令に従わなければならない立場にあり,前記職務命令は,小学校教育の目標や入学式等の意義,在り方を定めた関係諸規定の趣旨にかなうものであるなど,その目的及び内容が不合理であるとはいえないことなど判示の事情の下では,前記職務命令は,前記教諭の思想及び良心の自由を侵すものとして憲法19条に違反するということはできない。
 と判示しています (最判平成19年2月27日の裁判所HP、判決要旨から)。

 最高裁判例平成23年6月6日の事案は、以下のようなものです。教員が卒業式等において国歌(起立)斉唱行為を行わなかったために不利益処分を受けました。「日の丸」や「君が代」が過去の我が国において果たした役割に関わる歴史観ないし世界観及びこれに由来する社会生活上ないし教育上の信念を有する者として国歌斉唱を行わなかったのであるから、当該処分は、思想良心の自由に反し、違法であるとの主張をしました。なお、争い方としては、国家賠償訴訟を選択しています。

 これについて、最判平成23年6月6日は、
(1) … 本件各職務命令の発出当時,公立高等学校における卒業式等の式典において,国旗としての「日の丸」の掲揚及び国歌としての「君が代」の斉唱が広く行われていたことは周知の事実であって,学校の儀式的行事である卒業式等の式典における国歌斉唱の際の起立斉唱行為は,一般的,客観的に見て,これらの式典における慣例上の儀礼的な所作としての性質を有するものであり,かつ,そのような所作として外部からも認識されるものというべきである。したがって,上記国歌斉唱の際の起立斉唱行為は,その性質の点から見て,上告人らの有する歴史観ないし世界観を否定することと不可分に結び付くものとはいえず,上告人らに対して上記国歌斉唱の際の起立斉唱行為を求めることを内容とする本件各職務命令は,上記の歴史観ないし世界観それ自体を否定するものということはできない。また,上記国歌斉唱の際の起立斉唱行為は,その外部からの認識という点から見ても,特定の思想又はこれに反対する思想の表明として外部から認識されるものと評価することは困難であり,職務上の命令に従ってこのような行為が行われる場合には,上記のように評価することは一層困難であるといえるのであって,本件各職務命令は,特定の思想を持つことを強制したり,これに反対する思想を持つことを禁止したりするものではなく,特定の思想の有無について告白することを強要するものということもできない。そうすると,本件各職務命令は,これらの観点において,個人の思想及び良心の自由を直ちに制約するものと認めることはできないというべきである。
(2) もっとも,上記国歌斉唱の際の起立斉唱行為は,一般的,客観的に見ても,国旗及び国歌に対する敬意の表明の要素を含む行為であるということができる。そうすると,自らの歴史観ないし世界観との関係で否定的な評価の対象となる「日の丸」や「君が代」に対して敬意を表明することには応じ難いと考える者が,これらに対する敬意の表明の要素を含む行為を求められることは,その行為が個人の歴史観ないし世界観に反する特定の思想の表明に係る行為そのものではないとはいえ,個人の歴史観ないし世界観に由来する行動(敬意の表明の拒否)と異なる外部的行動(敬意の表明の要素を含む行為)を求められることとなる限りにおいて,その者の思想及び良心の自由についての間接的な制約となる面があることは否定し難い。
 そこで,このような間接的な制約について検討するに,個人の歴史観ないし世界観には多種多様なものがあり得るのであり,それが内心にとどまらず,それに由来する行動の実行又は拒否という外部的行動として現れ,社会一般の規範等と抵触する場面において,当該外部的行動に対する制限が必要かつ合理的なものである場合には,その制限によってもたらされる上記の間接的な制約も許容され得るものというべきである。そして,職務命令においてある行為を求められることが,個人の歴史観ないし世界観に由来する行動と異なる外部的行動を求められることとなる限りにおいて,当該職務命令が個人の思想及び良心の自由についての間接的な制約となる面があると判断される場合にも,職務命令の目的及び内容には種々のものが想定され,また,これによってもたらされる上記の制約の態様等も,職務命令の対象となる行為の内容及び性質並びにこれが個人の内心に及ぼす影響その他の諸事情に応じて様々であるといえる。したがって,このような間接的な制約が許容されるか否かは,職務命令の目的及び内容並びにこれによってもたらされる上記の制約の態様等を総合的に較量して,当該職務命令に上記の制約を許容し得る程度の必要性及び合理性が認められるか否かという観点から判断するのが相当である。
 これを本件についてみるに,本件各職務命令に係る国歌斉唱の際の起立斉唱行為は,前記のとおり,上告人らの歴史観ないし世界観との関係で否定的な評価の対象となるものに対する敬意の表明の要素を含むことから,そのような敬意の表明には応じ難いと考える上告人らにとって,その歴史観ないし世界観に由来する行動(敬意の表明の拒否)と異なる外部的行動となるものである。この点に照らすと,本件各職務命令は,一般的,客観的な見地からは式典における慣例上の儀礼的な所作とされる行為を求めるものであり,それが結果として上記の要素との関係においてその歴史観ないし世界観に由来する行動との相違を生じさせることとなるという点で,その限りで上告人らの思想及び良心の自由についての間接的な制約となる面があるものということができる。
 他方,学校の卒業式や入学式等という教育上の特に重要な節目となる儀式的行事においては,生徒等への配慮を含め,教育上の行事にふさわしい秩序を確保して式典の円滑な進行を図ることが必要であるといえる。法令等においても,学校教育法は,高等学校教育の目標として国家の現状と伝統についての正しい理解と国際協調の精神の涵養を掲げ(同法42条1号,36条1号,18条2号),同法43条及び学校教育法施行規則57条の2の規定に基づき高等学校教育の内容及び方法に関する全国的な大綱的基準として定められた高等学校学習指導要領も,学校の儀式的行事の意義を踏まえて国旗国歌条項を定めているところであり,また,国旗及び国歌に関する法律は,従来の慣習を法文化して,国旗は日章旗(「日の丸」)とし,国歌は「君が代」とする旨を定めている。そして,住民全体の奉仕者として法令等及び上司の職務上の命令に従って職務を遂行すべきこととされる地方公務員の地位の性質及びその職務の公共性(憲法15条2項,地方公務員法30条,32条)に鑑み,公立高等学校の教職員である上告人らは,法令等及び職務上の命令に従わなければならない立場にあり,地方公務員法に基づき,高等学校学習指導要領に沿った式典の実施の指針を示した本件通達を踏まえて,その勤務する当該学校の各校長から学校行事である卒業式等の式典に関して本件各職務命令を受けたものである。これらの点に照らすと,公立高等学校の教職員である上告人らに対して当該学校の卒業式や創立記念式典という式典における慣例上の儀礼的な所作として国歌斉唱の際の起立斉唱行為を求めることを内容とする本件各職務命令は,高等学校教育の目標や卒業式等の儀式的行事の意義,在り方等を定めた関係法令等の諸規定の趣旨に沿って,地方公務員の地位の性質及びその職務の公共性を踏まえ,生徒等への配慮を含め,教育上の行事にふさわしい秩序の確保とともに当該式典の円滑な進行を図るものであるということができる。
 以上の諸事情を踏まえると,本件各職務命令については,前記のように上告人らの思想及び良心の自由についての間接的な制約となる面はあるものの,職務命令の目的及び内容並びにこれによってもたらされる上記の制約の態様等を総合的に較量すれば,上記の制約を許容し得る程度の必要性及び合理性が認められるものというべきである。
(3) 以上の諸点に鑑みると,本件各職務命令は,上告人らの思想及び良心の自由を侵すものとして憲法19条に違反するとはいえないと解するのが相当である。
 と判示しました。

最判平成23年6月6日の分析

 (1)において、ピアノ伴奏事件の(2)と同様の判断を行い、「本件各職務命令は,特定の思想を持つことを強制したり,これに反対する思想を持つことを禁止したりするものではなく,特定の思想の有無について告白することを強要するものということもできない。」=「個人の思想及び良心の自由を直ちに制約するもの」ではないと判断します。

 言い換えれば、思想良心の自由(「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。」(憲法19条))の教科書的な説明として、内心の自由は絶対的に保障されると言われますが、具体的には、①特定の思想を持つことを強制すること、②特定の思想を持つことを禁止すること、③特定の思想の有無について告白を強要することが、公権力が行ってはならないものとして絶対的に保障されると示しています。

 ここまではピアノ伴奏事件(最判平成19年2月27日)と同じでしたが、続く(2)において、思想良心の自由についての間接的な制約の有無の検討が始まります。
 ちなみに、ピアノ伴奏事件(最判平成19年2月27日)でも、間接的制約があることを明言してはいないものの「本件職務命令は,その目的及び内容において不合理で」はない。との判断が示されています。ただし、この判断についてどのように理解すべきかについては対立がありました。以下、最判平成23年6月6日の間接的な制約の有無の検討の部分の引用です。

 「国歌斉唱の際の(国旗に向かって行う)起立斉唱行為は,一般的,客観的に見ても,国旗及び国歌に対する敬意の表明の要素を含む行為である…。そうすると,自らの歴史観ないし世界観との関係で否定的な評価の対象となる「日の丸」や「君が代」に対して敬意を表明することには応じ難いと考える者が,…(起立斉唱行為)を求められることは,…,個人の歴史観ないし世界観に由来する行動(敬意の表明の拒否)と異なる外部的行動(敬意の表明の要素を含む行為)を求められることとなる(ので)…,その者の思想及び良心の自由についての間接的な制約となる面がある…。」として、19条について間接的な制約があることを正面から肯定します。
 「内心の自由については19条の問題であり、外部的行動については21条の問題である」という命題に従えば、本件は21条の問題となります。しかしながら、最判平成23年6月6日は、外部的行動についても19条の問題となりえることを正面から認めました。自らが行いたくない(応じ難い)外部的行為の命令についての問題となる根拠条文は憲法21条ではなく憲法19条であることや、上記命題について修正ないし例外が発生したことについて注意が必要です。

 そしてその判断については、「個人の歴史観ないし世界観には多種多様なものがあり得るのであり,それが内心にとどまらず,それに由来する行動の実行又は拒否という外部的行動として現れ,社会一般の規範等と抵触する場面において,当該外部的行動に対する制限が必要かつ合理的なものである場合には,…許容され得る…。そして,…,職務命令の目的及び内容には種々のものが想定され,また,これによってもたらされる上記の制約の態様等も,職務命令の対象となる行為の内容及び性質並びにこれが個人の内心に及ぼす影響その他の諸事情に応じて様々である…。したがって,このような間接的な制約が許容されるか否かは,職務命令の目的及び内容並びにこれによってもたらされる上記の制約の態様等を総合的に較量して,当該職務命令に上記の制約を許容し得る程度の必要性及び合理性が認められるか否かという観点から判断する」と判断しています。

 ここで、職業選択の自由で有名な薬事法判決と比較してみると…。「職業は、…、その種類、性質、内容、社会的意義及び影響がきわめて多種多様であるため、その規制を要求する社会的理由ないし目的も、国民経済の円満な発展や社会公共の便宜の促進、経済的弱者の保護等の社会政策及び経済政策上の積極的なものから、社会生活における安全の保障や秩序の維持等の消極的なものに至るまで千差万別で、その重要性も区々にわたるのである。そしてこれに対応して、現実に職業の自由に対して加えられる制限も、あるいは特定の職業につき私人による遂行を一切禁止してこれを国家又は公共団体の専業とし、あるいは一定の条件をみたした者にのみこれを認め、更に、場合によつては、進んでそれらの者に職業の継続、遂行の義務を課し、あるいは職業の開始、継続、廃止の自由を認めながらその遂行の方法又は態様について規制する等、それぞれの事情に応じて各種各様の形をとることとなるのである。それ故、これらの規制措置が憲法二二条一項に…(反するか)どうかは、これを一律に論ずることができず、具体的な規制措置について、規制の目的、必要性、内容、これによつて制限される職業の自由の性質、内容及び制限の程度を検討し、これらを比較考量したうえで慎重に決定されなければならない。」
 以上のように、とても類似していることがわかります。精神的自由権の違憲性の判断については比較衡量論で行うことが、思想良心の自由においても妥当することがわかります。

 そして、最判平成23年6月6日は、あてはめにおいて、「本件各職務命令は,歴史観ないし世界観に由来する行動との相違を生じさせることとなるという…限りで上告人らの思想及び良心の自由についての間接的な制約となる面がある…。(改行)他方,学校の卒業式…等という教育上の特に重要な節目となる儀式的行事においては,生徒等への配慮を含め,教育上の行事にふさわしい秩序を確保して式典の円滑な進行を図ることが必要である…。法令等においても,…(省略)…。そして,住民全体の奉仕者として法令等及び上司の職務上の命令に従って職務を遂行すべきこととされる地方公務員の地位の性質及びその職務の公共性(憲法15条2項,地方公務員法30条,32条)に鑑み,…教職員…は,法令等及び職務上の命令に従わなければならない立場にあり,地方公務員法に基づき,高等学校学習指導要領に沿った式典の実施の指針を示した本件通達を踏まえて,…本件各職務命令を受けたものである。これらの点に照らすと,…本件各職務命令は,高等学校教育の目標や卒業式等の儀式的行事の意義,在り方等を定めた関係法令等の諸規定の趣旨に沿って,地方公務員の地位の性質及びその職務の公共性を踏まえ,生徒等への配慮を含め,教育上の行事にふさわしい秩序の確保とともに当該式典の円滑な進行を図るものであるということができる。」として、上記の制約を許容し得る程度の必要性及び合理性が認められる。と判断しました。

 ここからは自論になりますが、少々あてはめが雑な感じがします。例えば、式典の出席が必要不可欠であったのか(欠席の選択肢はなかったのか。)といった視点からも、説得的に説明してほしかったなと思います。



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【憲法 基本書】基本憲法I 基本的人権の発売

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02 /17 2017

 基本憲法I 基本的人権が発売されました。木下先生は関西LSの教授であり、伊藤先生はブログ「憲法の流儀」の運営者です。基本刑法で有名な基本シリーズの憲法版になります。今日発売なので、まだ読んでなく、触ってもいないので、発売されたことだけをお知らせします。

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 なお、これに伴って、憲法の基本書に、基本憲法I 基本的人権の項目を追記しました。まだ、憲法の基本書の記事を見ていない人は、上記リンクからご覧ください。


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 憲法の基本書、判例集を紹介します。憲法に関する基本書は多いですが、法学部で教科書として使われる標準的なものを紹介しようと思います。また、基本書を読んでいるけど、何を勉強すればいいのか分からない人にお勧めの書籍も紹介しますので、最後までご覧ください。

【1】憲法 芦部信喜 第六版

【2】立憲主義と日本国憲法 第4版

【3】憲法1 第5版 野中俊彦, 中村睦男, 高橋和之, 高見勝利


【4】憲法 (新法学ライブラリ) 長谷部恭男

【5】憲法 辻村みよ子 第5版

【追記】基本憲法I 基本的人権

【6】一歩先への憲法入門


■憲法の判例集
【7】憲法判例百選1 第6版 (別冊ジュリスト 217)



■何を勉強すればいいのか分からないという人にお勧め
【8】公務員試験 新スーパー過去問ゼミ4 憲法


■憲法の基本書のまとめ


 独学で初めて基本書を買うのであれば、【6】一歩先への憲法入門と、【8】公務員試験 新スーパー過去問ゼミ4 憲法をお勧めします。
 公務員試験などの資格試験を目指す人は、内容の質、量から考えて、【1】憲法 芦部信喜 第六版か、【5】憲法 辻村みよ子 第5版をお勧めします。


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【行為無価値】刑法の基本書紹介


2016年慶應法科大学院(LS)受験について

法科大学院(LS)入試
09 /25 2016

 9月3日に慶應LSを受験し合格しましたので、その体験、感想を書こうと思います。

 試験会場がかなり大きな会場で一部屋に200人以上がいました。大学受験では珍しくない光景ですが、中央、早稲田LSを受けず中小規模のLSを受けていた私にとっては、驚きの光景でした。まあ、受験人数を調べれば事前に分かることでしたが…

 試験は、論文形式のみで、過去には独自の短答試験を課したり、法学検定の法学既習者試験の受検を必須としていましたが、今年度(2016年受験)は、短答もなく、既習者試験は任意のものとなりました。面接もありません。

 六法は貸与されるので、持っていく必要はありません。貸与された六法は第一法規の法科大学院試験六法です。

 一番伝えたいことは、論文試験の解答用紙は、表面が1頁、2頁で、裏面が3頁、4頁となっています(予備論文とほぼ同じ形式)。しかし、大抵の受験生が表面か裏面の3頁前半で答案を終えているということです。試験時間的にも内容的にも2~3頁で答案が完成するので、紙面が足りなくなる心配は不要ですし、逆に分量が足りないのではないかという不安も必要ありません。

 さて、試験の内容です。
(1)憲法
 登山に際して登山者の氏名、登山の予定等を知事に届出なければならないと定める条例が、憲法13条からを導き出だされる「登山する自由」に対して合憲であるかの判断と、届出をしないで登山をし、迷子になって巡回中の職員に助けられた者が、過料5万円を上限とする罰則により5万円の処分を受けたことが比例原則に反しないかを聞いてきました。
 登山する自由というマニアックな内容だったので、かなりの人が面食らったと思います。合否は、比例原則(処分違憲)に触れられるか、基本的なことが書けているのかというところだったと思います。なお、私は、プライバシーについては触れませんでした。
(2)刑法
 問題を要約すると、強姦事件が発生したと勘違いした甲が、Bを防衛する意思で、Aを殴り、その弾みでBも傷害を負った。救急車が到着したが、受け入れ先の病院が輸送拒否を立て続けにしたために、他県の病院に搬送したが、Aが亡くなった。なお、すぐに搬送していれば助かったかもしれない。というものです。
 主要な論点は、具体的事実の錯誤(もしかしたら抽象的事実の錯誤かもしれません。)、誤想防衛、因果関係の判断の3点で、さらに前2者の「故意」が構成要件的故意と責任故意であるという故意の体系の理解ができているか、論理矛盾していないかということを聞いている試験でした。
 私が基本書としている基本刑法でほぼすべての論点に対応できたので、自信が付いた問題でもあります。

 2016年慶應法科大学院(LS)受験について その2 (民法、商法)に続きます。

水刀

2017年4月、LSに入学しました。