司法協会 刑法総論講義案の紹介(感想 評価) - ほのぼのと司法試験に挑戦

司法協会 刑法総論講義案の紹介(感想 評価)

刑法の基本書
11 /18 2016


 司法協会から出版されている刑法総論講義案の紹介(感想 評価)です。

 2016年7月に4訂版が出版され、最新の判例のフォローがなされ、この1冊のみで刑法総論の基本書として使うことができるようになりました。因果関係論における危険の現実化等の説明が追加され、最新の議論に対応した基本書となったことは、非常に大きいです。

 元々司法協会の本は、裁判所職員のための教材という性格がありますので、学者本にありがちな自説の押し付け等がなく、判例に沿って説明がなされています。そのため、刑法における学説の対立にうんざりした人に支持されている基本書です。

 「我々実務家としては」という言葉が示しているように、司法試験に無駄な学説は省いているところは非常に評価が高いところです。もちろん、最低限の学説、例えば、前述の相当因果関係説、危険の現実化といった因果関係論や、具体的符号説等の構成要件的故意の学説などの説明はなされています。

 判例に依拠し行為無価値から解説がなされている基本書として、この基本書の他に基本刑法が存在しています。基本刑法と説明が似ているところは多いです。似ているというよりもほぼ同じではないかと感じるところもありました。
 違いは2点、(1)司法試験に最低限必要な学説を残して、それ以外の不要な学説を省いていること、(2)判例の引用の数が多いことです。この違いにより、刑法を最初に勉強する人にとって早く刑法全体を理解することができ、不必要に学説に振り回されるという危険を回避することができるので、刑法の初心者や刑法を最小限の勉強時間で仕上げたい思う司法試験受験生におすすめできます。

 3訂補訂版では判例の引用は129件だったのが、今回148件に増え、最新の判例が追加されています。最新の判例を含め多くの判例に触れることができるのが、基本刑法との大きな違いであり、長所といえます。

 刑法総論講義案は、司法試験に適切な範囲について十分な説明がなされ、刑法の初心者にも分かりやすいと評判の基本書なので、広く様々な人にオススメできます。刑法総論の基本書で一番オススメできる基本書です。
 

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コメント

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初めまして

この本を検索している中でこのページを発見しました!
自分も今年の春からLSに入学しました。(といっても未修ですけど)

自分はこの本を評価できるくらい勉強は出来てはいませんが参考にさせてもらいつつ頑張ってみます。
また、他の記事等拝見させていただきますね!!

水刀

2017年4月、LSに入学しました。